平成29年度当初にあたっての管理者訓示

平成29年4月4日、当センター大会議室にて病院事業管理者より訓示がありましたので、ご紹介します。

 ようやく春の温かさを感じる季節になり、平成29年度の新体制がスタートいたしました。
年度当初にあたりまして、管理者として先ず今年度強く意識していただきたいこと3つをあげます。
 先ず第一は「危機意識の共有」です。昨年度は、病院事業会計の経常収支の黒字化を達成するため、病院事業会計V字回復プロジェクトをスタートさせた年でありました。しかしながら、平成28年度の決算は、27年度を上回る赤字が見込まれます。強い危機感をもって、経営改善に取り組んで行きましょう。
 第二は「ピンチをチャンスに」です。よく「ピンチはチャンス」と言われます。乗り越える課題が困難であればあるほど、不屈の努力によってピンチはチャンスに、停滞は発展に転ずるものです。ピンチを迎えた時こそ、病院運営のマネジメント力向上と、病院スタッフ一人ひとりのやる気と行動力が重要になります。失敗しても諦めずに努力を続けることが大事です。成功は天から降っては来ません。失敗を糧に努力していく中に成功があります。ピンチをチャンスと捉え、失敗を恐れず、挑戦し、かつ粘り強く努力してチャンスをものにしていきましょう。
 第三は「ボトムアップによる提案を、そして実行に」です。病院事業局は昨年度、V字回復プロジェクトをスタートさせ、新たな加算の取得や経費節減の取組みを行ってまいりました。しかし、更なる経営改善を進めていくためには、新たな行動が必要です。皆さんには、課題を共有し、自分たちの日常働いている現場から様々な取組みを提案していただきたいと思います。現場のモチベーションアップの基点は現場からの提案の実行にあります。
 以上の3つを常に意識しながら今年度私が考える取り組むべき目標を5つ申し上げます。
 第一の目標は「提供する医療の生産性向上」です。各々の職種での役割をもう一度見直し、地域連携の強化、チーム医療の推進、クリニカルパスの拡充などを実効あるものとし、生産性の向上に結び付くよう働きかけてまいりましょう。
 第二の目標は「人材の育成」です。組織は人が動かすものです。人材の材は財産の財でもあります。皆さん一人一人は病院事業局にとって財産です。皆さんが、知識を吸収し、その知識を生かすスキルを身に着け、そして高いモチベーションを基に、それぞれのスキルと能力を十分に発揮できるようにする。これが人財育成です。
 第三の目標は「働き方改革」です。政府では、働く人の視点に立った労働制度改革の議論が進められています。医療分野でも、ワークライフバランスを推進する風土づくりに努めてまいります。
 第四の目標は「県民目線でのサービスの提供」です。笑顔でのあいさつ、そして傾聴と共感の姿勢を心がけましょう。それは接遇レベルの向上につながり、いろんな場面で生ずるストレス解消におおきな力となるでしょう。
 第五の目標は「戦略的な情報発信」です。こころの医療センターでは、SNSなどを駆使して先進的に病院の情報を発信しています。ネットを活用した情報発信は病院のブランド化につながります。それは、こころの医療センターが県民に身近な、信頼される病院となり、医師等、優秀な医療スタッフの確保にもつながります。
 新たな気持ちで、皆さんと力を合わせて、「県民に安心・信頼・高度の医療を提供し、県民医療を守り支える」ために、時代の求める医療ニーズに応えていきましょう。