病院事業管理者年頭のごあいさつ(令和3年)

1月14日、山形県病院事業局 大澤賢史 病院事業管理者による職員に向けての年頭あいさつが行われました。
その内容をご紹介します。
 
皆さん、新年明けましておめでとうございます。
病院事業管理者の大澤です。

新しい年、令和3年が始まりました。
「平成」から「令和」に移り変わって3年目となり、令和での2回目の新春を今迎えていることになります。

昨年は、3月末からの県内における新型コロナウイルスの感染拡大、7月の大雨による洪水被害、12月の大雪と豚熱の発生と、山形県にとっては、次々と様々な危機が押し寄せた激動の1年でありました。
特に、新型コロナウイルスについては、令和元年11月に中国で最初に確認され、令和2年1月には中国の武漢で爆発的に感染が拡大し、更には我が国を含め世界各国に感染が広がるという未曽有の事態となりました。そして今も、国内外で、医療のみならず、社会、経済のあらゆる分野で、ウイルスとの闘いが続いています。
庄内地区においては、昨年年末に、2つの精神科病院において新型コロナウイルスの集団感染が発生するという衝撃的な出来事があり、現在も収束に向けた対応が続いています。年末年始には、新型コロナの集団感染が発生した地元の病院に、お二人の看護師の方から応援してもらい、センターでは、万が一に備えた職員の皆さんの宿泊場所を確保するなどの対応も怠りなくとっていただいています。
その中で、こころの医療センターの職員の皆さんは、新型コロナウイルス感染症の感染防止に細心の注意を払いながら、退院支援がなかなか進まない状況の中、精神科医療に日々尽力されています。
長期間にわたり、高い使命感を持ち、大変な緊張感の中、頑張っていただいていることに対し感謝申し上げるとともに、深く敬意を表する次第です。
また、大雪の中、医療提供体制が通常よりも手薄になる年末年始を何とか乗り切ることができたことに関しましては、神田院長を始め職員の皆さんに、重ねてお礼申し上げたいと思います。

こころの医療センターは、地域の精神科医療の基幹病院として、また、精神科救急医療、児童・思春期精神科医療、心神喪失者等医療観察法への対応、災害拠点精神科病院などの拠点としての機能を有し、県民の安全、安心に応え、県民医療を守り支えています。
また、精神科専門医制度における研修基幹施設として、専攻医の確保など、本県の精神科の医師確保に大きく貢献しています。
神田院長のリーダーシップのもと、須貝副院長、看護部長の斎藤副院長、そして、事務局長の菅原副院長をはじめ、職員の皆さんには、日ごろ、生命(いのち)と健康を守る第一線で御尽力いただき、深く感謝申し上げます。

さて、今年の干支(えと)は丑(うし)です。十干・十二支でいうと辛丑(かのとうし)となります。
丑(牛)は、力があり勤勉によく働く動物として、人間の歴史の中でも古くから大切にされ、現在でも牛を聖なるものとして崇めている宗教もあります。「牛」からイメージされる「誠実さ」「忍耐強さ」「粘り強さ」は、ともすると現代社会では軽視されがちです。しかし、この言葉は、最先端の医療技術を駆使して治療を行う時代にあっても、患者さんや家族の思いに寄り添いながら、県民に医療を提供してきた県立病院が長い間に培ってきたその精神と重なり合うものであると思います。
現在、こころの医療センターは、毎日140人近い外来患者さんと200人を超える入院患者の皆さんの診察、診療、治療などに対応しています。今後も本県の精神科医療の中核を担う病院として、その役割と機能を存分に発揮してくださるよう、よろしくお願いします。

現在、私たち県立病院は、新型コロナウイルス感染症と新型コロナ以外の疾病等への対応が同時に求められ、また、厳しい状況にある経営面での目配りも必要であり、二刀流ならぬ三刀流で、敵と立ち向かわなければならないという難しい局面にあります。
昨年、新しく定めたこころの医療センターのシンボルマークを旗印に、県民の皆さんに持続的に安心・安全・信頼の医療を提供するため、難局を乗り越えるべく、皆さんと共に一致団結し、一歩一歩進んでまいりましょう。

今年もよろしく、お願いいたします。