病院事業管理者年頭のごあいさつ(令和4年)

1月14日、山形県病院事業局 大澤賢史 病院事業管理者による職員に向けての年頭あいさつが行われました。
その内容をご紹介します。
 
皆さん、新年明けましておめでとうございます。
病院事業管理者の大澤です。

新しい年、令和4年が始まりました。
「平成」から「令和」に移り変わって3回目の新春を迎えました。

昨年を少し振り返ってみますと、3月から第3波、5月連休後から第4波、7月下旬から第5波と立て続けに感染拡大が起こり、また、威力の大きいデルタ株への置き換わりも重って、8月には県内の一日の感染者が69人に達し(8/20)、感染患者受入れの専用病床の使用率は、県全体で50%を超える状況となりました。

10月以降、県内をはじめ全国でも急激に新規感染者数が減少し、最近の県内の1日当たり感染者数はゼロや一桁の日が多く続いていましたが、全国では昨年末から感染者数は再び増加傾向にあり、東京では約3か月振りとなる三桁(1/3発表103人・10/8以来)の感染者数となっております。
また、新たな変異株であるオミクロン株が、現在、欧米を中心に猛威を振るっており、本県においても12月31日に感染の公表がありましたが、海外渡航歴のない方の市中感染が各県で報告されております。この年末年始の帰省などによる感染の広まりが懸念されるなど、第6波については、予断を許さない状況であります。
コロナ以外では、県内では比較的、災害が少ない年ではありましたが、春先の凍霜害の影響で、主力農作物であるサクランボを初めとした果樹などが大きな打撃を受けました。米は、天候にも恵まれ、県全体で作況指数104とやや良でありましたが、コロナの影響による外食需要の落ち込みもあり、米価が大きく下落し、農家の皆さんにとっても厳しい年でありました。同様に観光業や飲食業などといった業界も同様に、苦境に立たされ、県民も多くの方が苦しんでいます。

そのような中で、こころの医療センターの職員の皆さんは、新型コロナウイルス感染症の感染防止に最大の注意を払いながら、退院支援がなかなか進まない状況の中、日々、精神科医療に尽力されています。

この2年近くの長期間にわたり、高い使命感を持ち、大変な緊張感の中、張っていただいていることに対し感謝申し上げるとともに、深く敬意を表する次第です。
また、大雪の中、医療提供体制が通常よりも手薄になる年末年始を何とか乗り切ることができたことにつきましては、神田院長を始め職員の皆さんに、重ねてお礼申し上げたいと思います。
 さて、こころの医療センターは、地域の精神科医療の基幹病院として、また、精神科救急医療、児童・思春期精神科医療、心神喪失者等医療観察法への対応、災害拠点精神科病院などの拠点としての機能を有し、県民の安全、安心に応え、県民医療を守り支えています。
 また、精神科専門医制度における研修基幹施設として、専攻医の確保など、本県の精神科の医師確保に大きく貢献しています。
 新型コロナの影響により、昨年から診療報酬制度上の特例が認められて以降、患者の要望に応じた電話診療に多く対応していることも、こころの医療センターのアドバンデージであると捉えております。
 神田院長のリーダーシップのもと、須貝副院長、新田副院長、看護部長の斎藤副院長、そして、事務局長の菅原副院長をはじめ、職員の皆さんには、日ごろ、生命(いのち)と健康を守る第一線でご尽力いただき、深く感謝申し上げます。

さて、今年の干支(えと)は寅(とら)です。
「虎」に因んだ諺は様々ありますが、その中に「虎は千里往って千里還る」というものがあります。「虎が一日のうちに千里もの距離を走り、さらに戻って来ることができる」という意味であり、活力に満ちた、行動力のあるさまなどを表す言葉であります。このコロナ禍で、本来持っている皆さんのポテンシャル(潜在的能力)が、発揮できずにおります。是非、今年はウイズコロナの社会にあっても、皆さん一人ひとりがその役割、使命を十分に発揮していただきたいと願っております。
 今年は、今後4年間を目標とする新たな中期経営計画がスタートする年です。収益のアップや経費の節減はもとより、医師を初めとした職員の働き方改革は特に優先課題です。

 現在、私たち県立病院は、新型コロナウイルス感染症と新型コロナ以外の疾病等への対応が同時に求められ、また、厳しい状況にある経営面での目配りも必要であり、(大リーグ大谷選手と同じように打って、投げて、走っての)二刀流、三刀流で、敵と立ち向かわなければならないという難しい局面にあります。

県民の皆さんに持続的に安心・安全・信頼の医療を提供するため、この難局を皆さんと共に乗り越えるべく、一致団結し、一歩一歩進んでまいりましょう。

最後に、ダジャレを一つ、「過去に・ト・ラ・われず、積極的に・ト・ラ・いする一年にしましょう!」、以上、今年もよろしく、お願いいたします。

今年もよろしく、お願いいたします。