病院事業管理者年頭のごあいさつ(平成31年)

1月10日、山形県病院事業局 大澤賢史 病院事業管理者による職員に向けての年頭あいさつが行われました。
その内容をご紹介します。

皆さん、新年明けましておめでとうございます。
 病院事業管理者の大澤です。
 こころの医療センターは、地域の精神科医療の基幹病院として、精神科救急医療、児童・思春期精神科医療、心神喪失者等医療観察法への対応などの拠点として、精神科医療に求められるニーズの多様化に適した様々な機能を有し、県民の安全、安心に応え、県民医療を守り支えてきております。
 神田院長のリーダーシップのもと、須貝副院長、看護部長の伊藤副院長、そして、事務局長の小松副院長をはじめ、職員の皆さんには、日ごろ、生命(いのち)と健康を守る第一線で御尽力いただき、深く感謝申し上げます。
 さて、平成31年の新しい年が始まりました。
 今年は、雪が少なく、職員の皆さんも清々しい気持ちで新たな年を迎えられたことと思います。
 昨年を振り返りますと、こころの医療センターでは、精神科専門医制度における研修基幹施設として、専攻医4名を確保し、本県の精神科の医師確保に多大な貢献をしております。また、公認心理師、NST(栄養サポートチーム)専門療法士などの専門資格の取得と専門性を生かした医療の提供に努めていただきました。
 今年は、8月に全国自治体病院協議会精神科特別部会総会・研修会を主催されると聞いております。院内に実行委員会を立ち上げ、開催準備を進めているようですが、全国規模の大会ですので、プログラムの策定や講師の選定、依頼など、職員の皆さんには、御苦労も多いかと思います。
 私もバックアップしますので、ぜひ、全国から本県へ参加される皆さんが、「山形に来て良かった」と喜んでもらえる大会にしていただきたいと思います。
 さて、今年は亥(いのしし)年です。
 亥年は災害が多い年と言われております。昨年は、大阪や北海道での地震、西日本豪雨などが起き、県内でも豪雨による大きな被害を受けました。年末に日本漢字能力検定協会が発表した一年の世相を表す漢字は「災」でしたが、関東大震災、伊勢湾台風、日本海中部地震、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、それから、新潟県中越沖地震は亥年に起きています。
 災害への備えが必要なことは亥年に限ったことではありませんが、こころの医療センターは、災害拠点精神科病院、山形DPAT指定病院ですので、この機会に改めて点検・確認に努めていただきたいと思います。
 一方で、イノシシは、最近ですと、熊や鹿と同様に農作物を荒らす鳥獣被害が問題となっております。何事もマイナス志向で考えますと、厄介者、駆除の対象と捉えてしまいがちですが、発想を転換し、マイナスをプラスに考えると、イノシシの肉は、栄養価が高く健康増進になることから、無病息災の象徴とされております。少し視野を広げて全国を見渡せば、イノシシの肉をジビエ料理として、町おこしにつなげている地域があります。厄介者が地元の資源、地域の宝になったわけです。
 病院事業会計は、今非常に苦しい状況にあり、深刻な資金不足に悩まされております。職員の皆さんの日々の診療業務に影響が生じないようにするため、昨年、「資金不足等解消計画」を策定し、改善目標を掲げ取り組んでいるところですが、目標が高すぎて達成できないのではないかという声があります。
 私もこれまでと同じ考え方や取組み方では、厳しい目標であると思います。
 このピンチにどう立ち向かうか、ピンチをどう切り抜けるか、これまでと同じ発想にとらわれることなく、原点に立ち返って、皆さんの業務のあり方について見直すチャンスと捉え、切り換えて挑んでいきたいと思います。
 また、亥(いのしし)は、十二支の一番最後の干支で、植物の成長に例えますと、「草木が枯れ落ちて、春の芽吹きまで、じっと硬い種の中で生命力を内に込めている」状態を表すそうであります。このことから、亥年は、
  ・個人では、知識を増やす、精神を育てる
  ・組織では、人材育成や設備投資、財務基盤を固める
というように、内部の充実を心がけるには良い年であるとされています。
 皆さんも新年を迎え、今年一年の抱負を抱いたことと思います。是非、前向きに果敢にチャレンジし、心身の充実を図っていただきたいと思います。
 私は、昨年4月の就任以来、病院事業管理者として、先頭に立って、神田院長はじめ県立病院の院長と共に、経営改善に取り組んできましたが、様々な個性や役割を持った一人一人の個の力が、同じ方向を志し、結集して、初めて、大きな想像もできないような力が発揮されると思っています。
 この厳しい状況を、難局を乗り越えるために、皆さんと共に一致団結して取り組んでいきたいと思います。今年もよろしく、お願いいたします。