令和6年度 こころの医療センター運営の基本方針
精神科医療の基本的な考え方は、入院医療主体から地域保健・医療・福祉を中心としたものに大きく転換しています。一方、社会環境の変化などによるうつ病などのストレス関連疾病や発達障がいなど子どもの心の問題、さらには高齢社会を反映した認知症など、精神科医療に求められるニーズが多様化している状況にあります。
また、精神疾患の正しい知識の普及や精神科診療所の増加により、精神科を受診する患者が増加しています。
令和6年度は、このような精神科医療を取り巻く環境の変化に適切に対応するとともに、改正後の「山形県病院事業中期経営計画」の1年目として、県民に対する適切な精神科医療を提供するため、以下の項目を重点的に取り組みます。
また、精神疾患の正しい知識の普及や精神科診療所の増加により、精神科を受診する患者が増加しています。
令和6年度は、このような精神科医療を取り巻く環境の変化に適切に対応するとともに、改正後の「山形県病院事業中期経営計画」の1年目として、県民に対する適切な精神科医療を提供するため、以下の項目を重点的に取り組みます。
1.使命(ミッション)
- 県全域を対象とした精神科医療の基幹病院としての役割を積極的に果たす。
2.目指す姿(ビジョン)
- 病院機能の強化と精神科救急医療、児童思春期精神科医療、心神喪失者等医療観察法への対応などの政策的精神科医療を推進する。
3.取組みの柱と重点的取組み
県立病院の役割を踏まえた医療の提供
- 安全で質の高い医療の提供
多職種によるチーム医療の推進とクリニカルパスの積極的な運用
医療安全に係る報告事例の分析による医療安全意識の向上と再発防止策の立案・実施
患者の人権を尊重し、患者満足度調査等の実施により患者や家族の視点に立った医療の提供 - 政策医療及び専門医療の提供
精神科救急患者の24時間365日受け入れ体制と集中的な治療による早期退院の促進
発達障がい等児童思春期の精神疾患に対する多職種による専門的治療の実施と関係機関との緊密な連携
心神喪失者等医療観察法に基づく適切な病棟運営とチーム医療の充実による社会復帰の実現
クロザピンの積極的な推進や修正型電気痙攣療法の施行等による専門医療の実施 - 大学、地域の医療機関等との連携の推進
専攻医、初期研修医の積極的な受け入れ
近隣総合病院との協力関係の強化による、互いの特長を生かした質の高い医療の提供
福祉施設等との連携による入院患者の地域移行及び地域生活支援の推進 - 働き方改革への対応
特定看護師の育成及びLAIマスター制度等多職種連携によるタスク・シフト/シェアの推進
年休・代休の取得拡大や時間外勤務の縮減をはじめとしたワーク・ライフ・バランスの推進 - 県立大学との連携推進
米沢栄養大学及び保健医療大学との連携推進 - デジタル化の推進
統合DWHシステムの利活用を通じた業務プロセスの改善
業務効率化に向けた勤務管理システムの本格稼働後の的確な対応
院内掲示等によるマイナンバーカードの健康保険証利用の促進
安定的な運営基盤を実現する経営の改善
- 医療を支える人材の確保及び育成
新専門医研修基幹施設としての病院の魅力PRによる専攻医を含む医師確保対策の推進
精神保健指定医及び精神科専門医の資格取得に向けたきめ細かな指導による定着の促進 - 高度医療及び専門医療を担う人材の育成
認定看護師の計画的な養成と病院内外での活動の促進
コメディカルスタッフの専門資格の取得と専門性を生かした医療の提供
病院管理運営を円滑かつ積極的に実行する能力を備えた病院経営管理士の育成 - 安定した収益の確保
診療報酬改定における診療報酬加算取得への的確な対応及び必要な診療行為の積極的な実施
長期入院患者の社会復帰及び地域移行の促進と計画的な退院調整による効率的な病床利用
職員の経営参画意識の醸成と経営改善に繋がる取組の実施 - 医業費用の効率化
後発医薬品の使用拡大の継続及び医薬品に係る費用の縮減
適正な施設管理による廃棄物の排出量の削減及び光熱費の適正化 - 個人医業未収金対策の強化
福祉制度の活用や退院時請求の推進による新たな未収金の抑制と法律事務所による債権回収業務の推進
新興感染症等の感染拡大時等に備えた平時からの取組み
- 感染拡大時における各医療機関間の連携及び役割分担の明確化
感染拡大時に活用できる病床の確保
地域の医療機関、保健所と連携した感染拡大時の役割分担、対応方針の共有 - 感染拡大時を想定した専門人材の確保及び育成
感染管理認定看護師等の感染症対応専門人材の育成 - 感染防護具等の備蓄等
医療提供体制の確保に必要な感染防護具の備蓄 - 院内感染対策のための平時からの取組等
流行感染症の感染状況等の情報共有
新興感染症等への理解を深めるための研修会の開催