1月7日、山形県病院事業局 阿彦 忠之 病院事業管理者による職員に向けての年頭あいさつが行われました。
その内容をご紹介します。
皆さん、明けましておめでとうございます。
新しい年、令和8年が始まりました。皆さんには清々しく健やかに新年を迎えられたことと思います。また、年末年始も出勤し、医療の提供と病院運営を支えていただいた職員の皆様も多くいらっしゃいます。日頃からのご尽力に、心より感謝申し上げます。

さて、昨年を振り返りますと、5月に本県の人口が100万人を割り込み、人口減少が確実に進んでいる現実を改めて突きつけられました。また、「令和のコメ騒動」ともいわれるように、コメの価格が高止まりし、コメどころの本県においても、放出された政府備蓄米を求めて店頭に行列ができる光景が見られました。
人口減少やコメをはじめとする物価高騰は、今後も病院経営に少なからず影響を与えることは間違いありません。
実際、令和7年度の当初予算は、36.5億円の経常赤字という、4病院体制となった平成20年度以降で、最も厳しい赤字予算を編成せざるを得ませんでした。この当初予算で掲げた収益を確保し、費用を計画どおりに抑えなければ、資金不足比率が20%を超え、いわゆる「経営健全化団体」に該当する、まさに崖っぷちの状況にあります。
このような経営の危機的状況を受けて、経営健全化ワーキングチームを立ち上げました。これは、事務局長を中心に収益確保と費用削減に向けた取り組みを検討・実行し、その進捗を管理することを目的としたものです。
こころの医療センターでは、診療単価のアップに向けて一般名処方加算など複数の新規加算を取得したり、電話診療を廃止したほか、レスパイト入院を推進するなど、これまでにない取組みが進められました。こうした取組みを通して、職員一人ひとりが経営への危機感を共有する大きなきっかけになったものと感じております。
皆さんのこうした取組みの成果として、4月以降のこころの医療センターの医業収益は、目標には届いていないものの、前年度実績との比較では大きく増加しております。また、医業費用は前年度より減少していることから、経営が改善する方向で推移しております。引き続き、収益確保について粘り強く取り組んでいただきたいと思います。

令和8年度は診療報酬改定の年になりますが、去る12月24日に改定率が公表され、本体部分は3.09%のプラス改定とされました。
令和6年度改定まで、過去6回の改定がいずれも1%未満の小幅なプラスにとどまっていたことを踏まえると、比較的大きな改定率と言えるかもしれません。また、「経済・物価動向が大きく変動し、医療機関の経営状況に支障が生じた場合には、令和9年度予算編成において必要な調整を行う」とされ、本県が政府に提案してきた「物価スライド・賃金スライド制」の考え方が一部反映されたものと受け止めています。
さらに、診療所と比べて病院に より手厚く配分する配慮がなされている点も評価できます。
今後示される改定内容の詳細を踏まえ、新たな施設基準や加算の取得可能性を検討するなど、改定による増収効果を最大限に引き出せるよう、十分に備えていただきたいと思います。

次に今年の病院事業局の展望について申し上げます。
まず、電子カルテをはじめとする総合医療情報システムについて、中央、新庄、河北の3病院は年内に更新が完了します。こころの医療センターでも、いよいよ更新に向けた取り組みが始まり、業者選定に向けた仕様の検討を行います。
こうした情報基盤は、導入すること自体が目的ではなく、これを契機に業務の在り方を見直すことが重要です。見直しに伴う負担もあるかと思いますが、業務効率化に向けた絶好の機会ですので、ぜひ前向きに取り組んでください。
医療提供体制全般に目を向けますと、今年は本県の地域医療構想の見直しが予定されています。精神医療については、身体疾患に対する医療と精神疾患に対する医療の双方を必要とする患者に対し、一般医療との連携を推進する観点から、地域医療構想に新たに位置づけられることとなりました。今後、本県においても見直しの議論が進められますが、よりよい医療提供体制を築くため、皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。
令和8年の干支は「午(うま)」です。馬は、その俊敏な動きから前進、飛躍、成長などを連想させます。先ほど「県立病院の経営は崖っぷち」と申し上げましたが、診療報酬改定による増収効果を最大限に活かし、さらなる費用効率化に知恵を絞りながら、天を駆ける馬のように、この崖を力強く飛び越える一年にしていきましょう。
結びに、県立病院のミッションは「県民に安心・信頼・高度の医療を提供し、県民医療を守り支える」ことです。このミッションを支えるのは他ならぬ「人」であり、医療を担う皆さんお一人おひとりの健康が何よりも重要です。趣味や休息、大切な人と過ごす時間を大事にし、心身のコンディションを整えながら、新しい一年を実り多いものにしていただきたいと思います。
今年もどうぞよろしくお願いします。
















