5月17日、山形県病院事業局 大澤賢史 病院事業管理者による職員に向けての年度初めの訓示が行われました。
その内容をご紹介します。
皆さん、こんにちは。病院事業管理者の大澤です。
神田院長をはじめ、職員の皆さん方には、生命と健康を守る第一線で、日々御尽力いただき、深く感謝申し上げます。
病院事業局では、「県民に安心・信頼・高度の医療を提供し、県民医療を守り支える」ことを使命とし、4つの県立病院は、県全域あるいは地域における基幹的な病院として、救急医療、周産期医療、精神医療及びがん等の高度医療を提供しています。
その中でもこころの医療センターは、県内唯一の公立の精神科単科病院として、精神科救急対応、児童思春期精神科医療、心神喪失者等医療観察法への対応などの政策的医療を提供しており、本県の精神医療の基幹病院として、県民の信頼と期待に応えてきました。
また、9割を超える非常に高い病床利用率を維持している一方で、入院中から退院後まで切れ目なく患者さんを支援し、福祉施設等とも連携しながら、入院患者の早期退院や地域移行支援に取り組んでいただいております。
この他、大規模災害時にDPAT(ディーパット)チームを派遣できる災害支援の拠点としての役割を果たしながら、精神科専門医制度における研修基幹施設として、本県の精神科の医師確保に大きく貢献をしています。改めて、皆さんのこれまでの努力と熱意に敬意を表したいと思います。
そして、こころの医療センターでは、院内での新型コロナウイルス感染症の感染防止を徹底されるだけでなく、陽性者の受入れを想定した準備、他病院への看護師の派遣による応援など、県や地域全体の医療体制の確保についても協力していただいており、深く感謝申し上げます。
職員の皆さんには、御家族の方なども含め、職場である病院内はもとより、日常生活の場においても感染防止に気を配っていただいており、様々な面で負担を感じていることと思います。長期間にわたる対応について、心より御礼申し上げる次第です。
ワクチンの接種が進むことで、1日も早く感染の収束が見通せるようになることを切望しておりますが、今しばらくの間、引き続き御協力くださるようお願いします。
県内においては、令和2年4月の第一波、令和2年12月の第二波に続き、現在、最も大きい令和3年3月からの第三波に直面しています。新型コロナウイルス感染症への対応は、非常に神経を使い、また負担の多いものでありますが、皆さんの力を結集して、この波を乗り切ってまいりましょう。
さて、山形県の病院事業を取り巻く環境を見ますと、中長期的な人口減少による患者数減少の加速、少子高齢化の進行に伴う疾病構造の変化、さらには医師の不足や偏在など、年々厳しさを増しており、経営改善が最大の課題となっています。
これまで、資金不足等解消計画に沿って収支の改善に努めてきましたが、一般会計からの支援に頼らざるを得ず、資金不足の解消のため、安定した収益の確保に加え、徹底した費用の見直しが求められています。このような現状を、皆さんお一人お一人、全職員が理解し、考えられる経営改善策に垣根や限界を設けずに、一丸となって取り組むことが必要です。
現在、私たち県立病院は、新型コロナウイルス感染症と新型コロナ以外の疾病等への対応が同時に求められ、また、厳しい状況にある経営面での目配りも必要であるという、大変難しい局面にあります。
精神科医療に求められるニーズは、急性期患者の早期社会復帰、慢性期患者の地域移行、さらに、社会環境の変化などによるうつ病などのストレス関連疾患や不登校、発達障がい、認知症への対応など、益々大きくなり、多様化している状況にあります。
新型コロナウイルス感染症の国内外における感染拡大は、先を見通せない状況でありますが、神田院長のリーダーシップの下、こころの医療センターのミッションである「県全域を対象とした精神科医療の基幹病院としての役割を積極的に果たす」ために、「精神科救急対応、児童思春期精神科医療、心神喪失者等医療観察法への対応の政策的医療を推進する」というビジョンの達成に向けて、職員一丸となって取り組んでください。
今年度もよろしくお願いします。