1月8日、山形県 病院事業局 新澤病院事業管理者による職員に向けての年頭あいさつが行われました。
その内容をご紹介します。
また、あわせて「病院事業管理者賞」と「こころの医療センター院長賞」の表彰を行いました。その様子はこちらでご紹介しております。
皆さん、新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、一言御挨拶を申し上げます。
今年はほとんど雪のない年明けとなりました。山形市では雪のない年明けは12年ぶりとのことだそうです。
皆様におかれましては心を新たにして希望の新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
また、皆様には、いつも県民医療を守り支えるために御尽力いただき、先ずもって感謝申し上げます。特に、こころの医療センターは開院以来実質的に90%を超す満床状態で、大きな問題もなく医療を提供していただいたことに敬意を表します。
さて、2016年、平成28年はどのような年でしょうか。我々医療に携わる者にとっては診療報酬改定があります。これには適切な対応が求められます。また、益々、医療の標準化、医療の質の向上が求められる年ではないかと思います。
医療標準化に向けて、働く皆さんは何をすべきか。それは、「運営基盤を強化し、時代が求める医療ニーズに応えていく」という県立病院事業局のビジョンを達成することにより、県立病院のミッションである「県民に安心、信頼、高度の医療を提供し、県民医療を守り支える」ことを、県立こころの医療センターの皆さんが実行していただきたい。
このミッションを着実に実行することによって県立病院が提供する医療の質を、なお一層向上させることが可能となります。
さて、県立こころの医療センターは昨年3月新築移転し、日本でも最先端の病院となりました。精神科スーパー救急に対応する精神科救急専門病棟や、子どもの心の病や、うつ病等の専門病棟、医療観察法病棟等を備え、日本でも有数の精神科の総合病院となりました。
しかし、医師数9人と少ない中で、看護師をはじめとするコメディカルスタッフとのチーム医療で本当によく今まで頑張って来られました。その甲斐あって今年の4月には皆さんの努力のおかげで当院の魅力が広く知られ、医師が3人以上増える予定であります。
先ほどチーム医療に言及いたしましたが、質の高い医療の提供にはチーム医療の充実が鍵であります。チーム医療は病院で働くスタッフ全員参加の、すなわち多職種参加によってなされるものです。神戸国際フロンティアメディカルセンターでの肝移植後死亡例でも示されているように、名医が独り頑張っても、チーム医療が機能しないと良いアウトカムが得られません。医師のみの働きでは患者さんのアウトカムは必ずしも達成されません。多職種が連携良く患者さんを診ることによって目標とされるアウトカムが得られ、元気で患者さんが退院できるものです。
ここで多職種の中で忘れてならないのは事務職であります。事務職は普段表面には出ておりませんが、医療スタッフが質の高い医療を行うにはその事務力が大いにものを言います。医師の皆さんにあっては、看護師、放射線技師、臨床検査技師、管理栄養士、リハビリスタッフ等とはもちろんのこと、事務職との連携を円滑に進めていただきたい。
今までの常識はこれからの常識でありません。時代が求める医療ニーズに応えるため、常にチャレンジ精神で行きましょう。
病院事業局はこのチャレンジ精神が生きるよう、県立こころの医療センターを全面的にバックアップしていきます。
医療を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。時代が求める医療ニーズに応えるというよりは、時代のニーズを先取りしていくチャレンジの精神で県民医療を守り支えていきましょう。
このため私ども病院事業局は努力を惜しみません。また、今年から始めましたが、皆さんの努力が報われるようにということで、病院運営に功績大の方々にささやかでありますが、管理者表彰を行うことと致しました。それも大勢のスタッフの集まる本日に執り行うことと致しました。この目的は、質の高い医療の提供に貢献すれば報われるという趣旨であります。一所懸命働いた職員を我々は正当に評価するということであります。是非、御理解いただきたい。
これまで経営の改善をお願いして参りましたが、病院が提供する医療の質の向上が、経営の改善に繋がるものであります。病院事業局としては、これに向かって頑張った方々が報われるよう努力して参ります。
最後になりますが、今年が皆さんにとって幸せな一年となるように御祈念申し上げ、挨拶とさせていただきます。
本年もよろしくお願いします。