平成28年4月4日、当センター大会議室にて病院事業管理者より訓示がありましたので、ご紹介します。
新年度にあたりひとことご挨拶申し上げます。
開院から1年たち、山形県立こころの医療センターの名声は県内、県外に届くところとなっており、これも院長はじめ、みなさん方の努力のおかげです。
近年、精神科医療に対するニーズが高まってきています。県知事からも日頃、精神的発達障がいへの対応などの医療の恩恵が全県にいきわたるようにと指示されています。
少子化の中、発達障がいが増え、一方で高齢化により認知症が増加、中間の働く世代では過重労働によるうつ病が増えてきています。精神科は、より多くの期待をされています。
そういったこともあり、今年の診療報酬改定では精神科に重点が置かれています。こころの医療センターでは、児童の精神科に対応するためこどもユニットを、うつ病について対応するためストレスケアユニットを設け、さらにスーパー救急病棟の運営、医療観察法病棟の設置など、先取りしています。
神田院長を初め医師9名という厳しい状況の中、看護師、事務職、コメディカルの支えにより役割は十分果たされていると思いますし、県内外にその活躍は知られてきています。
見学は引きも切らず、精神科を専門とすることを希望する研修医の研修の希望も増加していると伺っています。専門医制度が新しくなり、こころの医療センターは新制度で精神科の専門医養成の基幹病院となる予定です。山形県内で基幹病院となるのは2ヶ所、東北で、大学以外で基幹病院となる施設は2ヶ所だけとお聞きしました。こころの医療センターはそれだけの実力、施設、設備を持っているということです。
医師も集まり始めています。誇りを持って仕事に励んでください。
今年度、新しい事務局長を迎え、看護部長も昇任、他のスタッフもだいぶ入れ替わり、新しい体制となりました。新たな気持ちで山形の精神医療を担うよう頑張ってください。
良い医療を提供するためには財政面も重要です。残念ながら、病院事業は赤字となっています。赤字の主な原因は、人材の確保のための給与や退職金制度の改善、高度な医療を県民に提供するための施設・医療機器の整備などに費用を要するためですが、病院事業局は職員のみなさんに、なぜ赤字なのかを分かりやすく説明し、職員のみなさんと情報を共有し、一層の健全経営をしていきたいと考えています。
今年の診療報酬改定は、患者さんへ質の高い医療を提供するほど高く評価されるものとなっております。こころの医療センターでスタッフを育て、山形の中心だけでなく日本全体、大胆に言えば世界レベルでも最高レベルの医療を提供していきましょう。良い医療、質の高い医療の提供に努めていきましょう。
神田院長からは昨年はホップ、今年はステップの年とお聞きしました。さらに一層の飛躍を目指し、良い医療を一緒に提供していきましょう。