院長より 《開院1周年を迎えて》


 平成28年3月9日で当センターは開院1周年を迎えました。この1年お世話になったみなさんに感謝申し上げます。 
 開院前は不安でいっぱいでしたが、今では地域に必要な医療を提供できているのではないかと思っております。
 1周年を期に庄内に新しい精神科病院をつくった意義を改めて問われれば、精神疾患が各年代で増えて、精神科医療へのニーズが高まっている現状を挙げたいと思います。認識が進んできた子どもの発達障害には、薬物療法などの医療需要があります。人口減少の時代に地域で頑張ろうとする働く世代には、ストレスによるうつ病が増える可能性があります。認知症は精神疾患ではなく治せる病気でもないですが、暴力や妄想などの周辺症状には精神科的治療が活用できます。 
 これらに応えるため、児童相談所との協働による児童の心のケアや子どもユニットと鶴岡養護学校おひさま分教室との連携、鶴岡市立荘内病院のご協力により導入が可能となった新たなうつ病等への治療(無けいれん電気ショック療法)、クリニカルパス(治療計画書)によるチーム医療の導入など、関係機関との連携とチーム医療の強化による一連の取組を今後も続けていきたいと考えています。
 この2月には当センターの患者で作るフットサルチームから、選手の一人が国際大会の日本代表に選ばれ優勝に貢献する活躍をしてくれました。精神疾患や認知症に運動療法が良い、ということが分かってきました。地域に精神障害者のスポーツに対する理解を広げる一助とするため、平成29年度には当センターが事務局となり『日本スポーツ精神医学会』が開催されます。
 医師の確保は引き続き大きな課題となっています。そのため、精神科志望の後期研修の受け皿となるべく、日本海総合病院との協働による臨床研修プログラムの実施などの努力をしてきたところ、来年度、再来年度と複数の研修医の応募がありました。
 次の1年、さらにその先に向けて、今後とも職員一丸となって頑張ってまいります。これからもどうぞよろしくお願いします。