令和2年度の始めにあたり、職員に向けた院長訓示が行われました。
内容をご紹介します。
新型コロナで大変な時期に異動された方々、皆さん大変だと思います。昨日、県内での発生をうけ、当院も警戒レベルを上げて外来の人の流れと病棟の人の流れが交わらないように対策をとって、今朝から実施しております。先ほど見てきましたが、外来の総合受付は結構忙しく、人員を配置しないと病棟が円滑に回らないような状態になっているようです。
今まで私たちが経験したことのない事態で、現代においても感染症というのは脅威であるということを身をもって感じています。
特にこのコロナウイルスは、若い人に感染した場合あまり重症化しないということで、健康で若い人が、うつったら亡くなってしまう可能性のある志村けんさんのような人のために、自分の行動をかなり長期間にわたって慎まなければならないという重いストレスがかかる課題を私たちに突き付けていると思います。
基本的にはワクチンが開発されたり、有効な薬物治療等が一般に普及するまでは警戒を続けなければならないと思っています。
歓迎・送別も全くできませんでしたので、年度が替わったような気がしません。ですが実際このように新しい方を迎えてリフレッシュしてやっていかなければならない中、まず第一にこのコロナの難局を当院から感染者を出すことなく乗り切ることが、今年度最初の一番大きな課題になると思います。
当院を取り巻く状況についてですが、久しぶりにこちらにこられた方々も周りを見ていただくと分かるように、ショッピングセンターが次々出来上がり人が集まってきています。精神科自体も、人口が減っているという状況の中で、需要は確実に増えていると思います。80、90歳になって認知症で入院されている方も結構いますし、「明日は我が身」ということもあって、地域の人々も精神科というのがわからない、怖い、というものから、自分も行くかもしれない身近な存在になっていることがあると思います。このコロナのような事態で、働く世代、若い世代にはかなり強いストレスがかかります。ストレス関連のうつだとかパニックだとかの症例も増えていますし、そういう方々も支援を求めて当院へやってきます。
また若いほうでは、子どもの数は減っているのですが、発達障害のお子さんが増えており、当院の外来新患も半年以上待ってもらっているという状態です。当院が地域のためにやるべきことをレベル高く、きちんとした医療を届けることというのは非常に期待されていますし、私たちもその期待に応えていかなければならないと思っています。
精神科に久しぶりに来た方もいらっしゃると思いますが、地域の皆さんの見る目は確実に変わってきており期待されています。どうかそういうことを心にとめて、頑張っていただきたいと思います。