4月3日、山形県病院事業局 阿彦 忠之 病院事業管理者による職員に向けての年度初めの訓示が行われました。
その内容をご紹介します。皆さん、こんにちは。病院事業管理者の阿彦です。
冬の寒さも和らぎ、暖かな日差しに春の訪れを感じる季節となりました。春は始まりの季節でもあります。この4月の異動により、フレッシュな顔も拝見されますので、改めて県立病院の使命=ミッションを申し上げます。我々のミッションは「県民に安心・信頼・高度の医療を提供し、県民医療を守り支える」ことです。
県立病院は、中央、新庄、河北、こころの医療センターの4つで、県全域あるいは地域における基幹的な病院として、救急医療、周産期医療、精神科医療、がん等の高度医療などを提供しております。神田院長をはじめ、こころの医療センターの職員の皆さんには、県民の生命と健康を守る第一線で、日々御尽力いただき、感謝申し上げます。昨年度は、新型コロナにかかる支援が全てなくなり、完全な「平時」としての運営が始まる中、診療報酬改定への対応として、「精神科入退院支援加算」の新規取得など、様々な取組みを進めました。
加えて、少子高齢化の進行に伴う疾病構造の変化、医師の不足や地域間及び診療科間の偏在、物価高騰の長期化など、病院経営を取り巻く環境は厳しさを増し、令和7年度当初予算では、36.5億円の経常赤字という、4病院体制となった平成20年度以降で最悪の赤字予算を編成せざるを得ない状況に陥っております。
県立病院の病院経営は本当に深刻な危機に直面しているということを肝に銘じて、日々の業務に当たっていただきますようお願いします。
さて、今年度の最大の課題は経営改善でありますが、経営改善策の1つとして、今年度は経営健全化ワーキングチームを設置し、各病院の取組みの進捗管理や横展開を図ることとしております。本局も病院ごとに担当者を決め、各病院における経営改善の取組みを伴走支援し、病院と一緒に赤字額の縮小に取り組むこととしておりますので、各病院におかれましても経営改善に向けて着実な取組みをお願いいたします。
また、医療は労働集約型産業と言われておりますが、病院運営の要はやはり「ヒト」であります。病院事業局では、今年度、早急に「病院経営職員人材育成方針」を策定し、事務部門の更なる強化を図るとともに、引き続き職員のスキルアップやリスキリングを推進し、人材育成に努めます。
加えて、社会ではDX、デジタルトランスフォーメーションの推進が叫ばれておりますが、県立病院にあっては、電子カルテをはじめとする総合医療情報システムの更新時期を迎えます。更新を機に、仕事のプロセスの見直しやデジタル化を推進し、業務効率化や患者サービスの向上などを図ることも重要な課題であります。このような状況の中、今年度、こころの医療センターは、平成27年3月の新病院開院から10周年を迎えました。次の10年に向けて、これまでの歩みを見つめ直すとともに、患者からも職員からも選ばれる病院として今後も地域医療における役割をしっかりと果たせるよう、より一層の経営改善に努めていただきますようお願いします。
最後に、神田院長のリーダーシップの下、病院のミッションである「県全域を対象とした精神科医療の基幹病院としての役割を積極的に果たす」ため、「病院機能の強化と精神科救急医療、児童思春期精神科医療、心神喪失者等医療観察法への対応などの政策的精神科医療を推進する」というビジョンの達成に向けて、職員一丸となって取り組んでいきましょう。
今年度も、よろしくお願いいたします。